オール電化の主要機器であるエコキュートは、省エネルギーのホープとして今後も市場拡大が見込まれております。しかしながら、水を90℃まで加熱し、蓄積するシステムであり、設置される地域ごとに水質が異なることから、カルシウム成分やシリカ成分を多く含む水質地域では硬質スケール(湯垢)の生成付着によって熱効率の低下またはスケール詰まりによるトラブルが発生します。
現状、エコキュートに使用できる水質に関しては機器メーカ各社とも明確な水質基準がなく、単に水道水を使用するとなっております。(地下水、井戸水は使用しないよう注意されています。)
現在、関東地区においてもエコキュートが普及し始め、一般に戸建住宅での利用が多くなっております。
一方、オール電化を検討されている戸建住宅の中で未だ井戸水を利用している地域も多くあります。
弊社はエコキュートシステムをJRA(日本冷凍空調工業会)水質基準の高位中温水(60℃~90℃)システムとして位置づけており、熱交換器に発生するスケールを防止する水処理器として開発されたスピリオンをエコキュートのスケール対策用として提案しております。
また水質・水脈・季節によっては懸濁物質(土や砂、有機物等)を多く含みますので、エコキュートの熱交換器に持ち込まない為に、簡易ろ過システムの併設をお勧めしています。
エコキュートはCO2コンプレッサーで作られた高温(130℃)の熱を熱交換器で水に伝えてお湯(90℃)にしますが、熱交換器の水側はインナーフィン(4mm~10mm)仕様などのためスケール詰まりが発生しやすい形状になっています。スピリオンEH-12Fを取り付けることにより、スケール詰まりのしにくい水質になります。また、スピリオンEH-12Fは水質をやわらかくする機能もあります。
すでにスケールが付着してしまった場合は鉄、銅、アルミ、SUS部材を痛めずにスケール分を除去できるセイフティー1-RB(弊社製品)にて洗浄できます。
全項目が水道水の基準内にあっても、基準値に近い場合やPHの低い水質でのシリカ成分はスケールになり易く、PHやM-アルカリ度の高い水はカルシウムスケールが発生しやすくなります。
つまり、水道水なら全てが適し、井戸水、地下水が全て不適とは限りません。
例えば東京都をはじめとする関東の水は硬度が高く名古屋市、広島市の水は軟水です。更に鹿児島を含む南九州の水には多くのシリカが含まれています。